手元バラしにお困りのかた達へ

昨日朝霞さんでお話したMくらユーザーさんが「手元まで寄せてきて、最後によくバレちゃうんですよね」と言っていました。
Mくらに限ったことではないと思うのですが、一般的に、クランクってスプーンに比べて手元でのバラしが多いと思います(私の考える理由は後述)。
クランクで手元バラしを繰り返すと、リズムが狂うといいますか、何かもやもや感が残ってしまうという人もいるかと思います。次にヒットして手元まで寄せてきても「またバラしちゃうかも・・・」なんてちょっと弱気になっちゃうとか、あるかもしれません。


昔の私でしたら、そんな感じも持ったことがありましたが、あることを意識するようになってから、(少なくともほとんどの場合)取り込みのフィニッシュで「バラしちゃうかも・・・」と感じてしまうことは無くなりました。


今回は、私がやっている「バラし防止の基本」をご紹介したいと思います。
実はこれって、私がこのブログを始める前に持っていたホームページのコンテンツです(下記で使っている図のタイムスタンプを見たら「2005年4月10日」となっていたので、かれこれ8年以上前の話でした)。昨日のユーザーさんの一言があったおかげで「また書いてみようかな」と思い立ちました。Mくらを使ってくれている皆さんのバラしが1匹でも少なくなることを祈って・・・・。
それでは始まり始まり〜。


まずは、「どうして手元でバラしやすいんだろう」ということを考えてみましょう。私の思考としては以下の理由からです。


「魚が水面から出てバシャバシャ暴れて、ルアーが振り回されることで、ラインのテンションが緩み、その結果フックが外れる」です。


クランクって、スプーンより大きめで、空気抵抗も大きい(特にMくらは大きいですよね)ですから、魚が暴れるとどうしても魚の動きにルアーが追従しきれずに、フックに掛かっている力が抜けやすくなります。その結果、スプーンよりバレやすくなります。
・・・ですから、バラさないためには、なるべく魚を水面上で暴れさせないようにする必要があります。
・・・じゃぁ、どうすれば魚を水面上で暴れなくできるのか、を考えてみます。


これは一言で言ってしまうと、「魚を上方向に引っ張らないようにする」ということに尽きます。
魚は「上に引っ張られる」ことで、水面上に出てバシャバシャと暴れます。ですから「水面上に引っ張り上げない」ことがキモです。ちょっと図を使って説明しましょう。
下記の図1の方は水面とラインの角度が大きくなるように取り込んでいる様子を表しています(ロッドを立てた状態のイメージですね)。こうすると力のベクトルの分解によって、図2の様に魚を引っ張った場合に比べて上方向にかかる力が大きくなります。初心者のかたにありがちな取りこみ角度だと思います。


ですから、魚を水面上に引っ張り上げないようにするためには(=バラさないようにするためには)なるべく図2のように、水面とできるだけ角度をつけずに魚を取り込む必要があります。


ではもう少し具体的に見ていきましょう。
ちょっと管釣りに慣れている人の取り込み方として、魚を寄せてきて、最後に「リールを上側に向けながらロッドを自分の後ろ側に向けて持っていく姿勢で取り込む」人がいるのを見たことがあると思います。
以下の図3が、この時のロッド先端の動きを表しています。これはこれで綺麗な所作だと思うのですが、これだとまだまだ水面とラインの作る角度が大きい状態です。

・・・で、本気で「バラしたいくない」と思う時は、図4の赤い点線のように魚を引っ張ります。(自分の意識としては、青い点線くらいまで地面と水平に持っていく感覚です。)
これをやるための一番のポイントは「ロッドの先端から(魚が加えた)ルアーまでを30cm以内にまで巻く」という点です。
ロッドの先端と魚との距離を詰めて、なるべく水面と平行にロッドを自分の後ろに回し引きこむようにします。このため、ネットは水中に半分くらいは突っ込んでおく必要があります。
極端な表現だと「ロッドの穂先をネットに突っ込む」ような感じでしょうか。」自分と魚の間合いを計りながら、一気に引き寄せてネットに入れてしまう感覚です。


私は、普段の釣りではココまでやりませんが、大会の時など「1つもバラさんぞ」という時は、これを実践しています。この感覚を意識するようになって、手元バラしに対する恐怖心が全くなくなりました。(恐怖心は無くなりましたが、それでもたま〜にバラしちゃいますけど:笑)


(文字の説明だと分かりづらいのが残念ですが、)手元バラしで悩まれている皆さん、だまされたと思ってこれを練習してみてください。別にMくらを使う時に限ったことではなく、管釣りの魚を釣ること全般に通用する取り込み方法ですので、是非お試しあれ〜。