みいら流「バラしを減らす取り込み方」

最近あーじさんと一緒に釣りをしたり、Facebookのタイムラインで流れてくる内容を見ていたりすると、「バラしを減らすにはどうしたらいいの?」とか「バラし病をなんとかしたい」といった話・コメントに遭遇します。
この悩みを抱えている管釣り好きなかたは少なからずいらっしゃると思いますので、これに対する私の考えや実践していることをちょっとまとめておきたいと思います。これについては、以前のブログ(http://d.hatena.ne.jp/lyspeche/20131230)にエッセンスは一度書いたのですが、これを書いてから時間もたっているので、最近分かってきたことも含めてもう少しこまかく解説する意味でリライトしてみることにしました。


「バラしを減らすには?」と考えてみても、この字面からでは、何が問題でどうそれを解決したらいいのか、道筋が見えづらい状態になっています。ですので、これをもう少しブレイクダウンしてみます。
バレるとは、そのもの「フックが魚から外れる・外される」状態のことです(当たり前ですね)。では、何故フックが外れるのか?・・・・これは「フッキングしたフックにかかるテンションが適度に保てなくなる状態が生じること」と私は考えます。


テンションが緩むと魚が暴れた時に(バーブの無いフックを使う管釣りでは)簡単にフックが外れます。言い換えると、テンション="引っ張り力"が適切にかかっている状態が維持できれば、魚がヘッドシェイクしたとしてもかなりの確率でキャッチまでいけるはずです。
ここで一旦、「魚をバラさないためには、フッキングしたフックにかかるテンションをいかに適度に保つかが重要(★)」と定義付けしておきます。
魚がフッキングしてからネットインするまでの間に、何らかの要因でフックから魚が外れてしまうことを広義の「バラし」とすると、いくつものパターンと原因があると考えられるのですが、これを書き始めると、もう文章がそれはそれは長編解説なって、読んでいる皆さんも消化不良になること必至(笑)。
ですので、今回はバラしを減らすための大部分をカバーできる上記「★」について書いてみることにします。


ちょっと話は変わりますが、私も以前は「バラしを減らせるフックは何がいいかな?」とか「バラしを抑えられるロッドはどれか?」など道具の"探索"に走ったことがありました。が、今となっては、これらはそれぞれが「★」を実現するための一つの要素に過ぎないとの結論に至っています。
言葉を変えると、これらのパーツのそれぞれの性能やロッド操作も含めた魚とのやり取りの中で、いかに「★」をトータルで実現できるか、がカギを握るという認識になっています。


中でも、私が一番重要と考えているのが、「フッキングしてからネットインするまでの動作」の部分です。いかに刺さりのいいかつハズれにくいフックがあろうとも、適度なテンションを(それなりに)維持してくれる最高のロッドがあったとしても、魚とのやり取りでテンションが緩むような瞬間を作ってしまっては、魚にフックを外される危険性が一気に高まります。
逆に言うと(極論すると)フッキングしてからネットに入れるまでの動作で「★」が実現できるのであれば、フックやライン、ロッドは何でもOKということになります(実際、このためには、それなりのフックやラインの組み合わせは重要なんですけど:笑)


では、いかにしてテンションを維持するか、具体的に分解して考えてみましょう。
フックにかかる引っ張り力が抜ける場面として下記を挙げてみます。
(1)寄せてくる過程での水中の首振り
(2)ジャンプされてからのヘッドシェイク
(3)取り込む瞬間に魚が空中に出たときの暴れ


上記「(1)」は、これはいかんともしがたい、と考えています。これを防ぐ方法がありましたら、「教えてほしい!」と切に思います。魚も人間に捕獲されないように必死なので、フッキングしたら「いやいや」しちゃいますね。適切なラインとロッドの選択で、かなり「吸収」できてしまう部分だとは思います。(これについては今回は省略)


で、「(2)」と「(3)」についてです。
この2つ、共通していることは、空中にルアーが出ている状態という点です。
ただ、スプーンのようにモノが小さい場合、空中に出て首を振られる(=ルアーが振り回される)際でも・・・・
「[1]ラインの結節点→[2]スプリットリング→[3]ルアーの本体→[4]スプリットリング→[5]フック」(=◆[1]から[5])・・・までの距離が短く、ルアーが振り回されてもルアーが魚の動きに追従しやすくてフッキングポイントにかかる力が緩みづらい状況を作ってくれます。
一方で、ロングニョロルアーや大き目の丸っ子系クランクでは「◆」の距離が長くなり、ルアーが空中で振り回さた際にルアーが魚の動きに追いつかずに、結果としてフックにかかる力が抜ける瞬間が多々発生します。これがニョロ系ルアーのバラしが多い原因の一つだと思います。


ではどうするか?
今のところの私の解としては、「なるべくルアーを空中に出さないよう/出されないようにする」です。
要は「(2)」と「(3)」の場面そのものを減らすということに焦点を絞ります。


ロジックは上記の通りですが、実際の動作について下記に整理します。
(1)魚がフッキングしたら、ロッドの先端を水中に突っ込み、寄せてくる
 →途中のジャンプを防ぐ効果と、最後のネットインの動作につながります。
(2)ルアーと魚を、ロッドの穂先ギリギリのところまで巻き寄せてしまう
 →この際に注意点があります。それは「腕を伸ばして、握っているロッドをなるべく自分の身体から離した位置にキープしながら穂先寸前までルアーを巻く」(=●=詳しくは後述)ことです。
(3)ロッドは上に持ち上げないで、地面と平行になるくらいを意識して、下から後ろ方向にロッドをスライドさせて魚を手前に引っ張る(写真をご参照ください)
 →この「引っ張って寄せてくる一瞬のあいだ」で、地面に置いてあるネットをつかんで、水中にネットを半分くらい突っ込みます。

(4)ルアーと魚を一気にネットインさせます。(ネットインするまで、魚は空中にほぼ出ない状態のままネットインしちゃいます)


この取り込み方で一番重要なのが上記「●」です。どうしてこんな状態が必要なのか・・・・。
魚を取り込む際に、釣り人は必ずネットを持ちますよね。って、当たり前(笑)
このネットを持って構える瞬間って、リールを巻いていない(=ラインを引き寄せていないのでラインテンションが失われる瞬間が生じやすい)ので、(どうにかしてテンションを維持する施策を講じないと)どうしても今回の命題である「★」が維持できなくなる一瞬が生じます。
しかし、「●」の状態で準備しておくことで、ルアーと魚をロッドの穂先まで巻いてから、上記「(3)」の動作にスムーズに移行してロッドを手前に引っ張り続ける距離を用意しておくことで「魚を引っ張り続けることができ『★』を維持しつつ、ネットをつかむ猶予を作り出す」ことができます。


ロッドを自分の身体から離さないで脇を締めた状態でルアーと魚をロッド先端まで巻き取ってしまうと、ネットをつかむ際に「★」が不完全な状態がほぼ必ず生じてしまうので、これを避ける意味で「●」が非常に重要なポイントになるということです。


で、です。
文字面で色々と書いてきましたが、これを踏まえて動画を見ていただくと、実際にどうやるのかが「腹に落ちる」と思います。
偶然にも、私と全く同じことを実戦して、しかも丁寧にポイントまで解説してくれている動画を発見してしまいました(笑)。
どうやら「naka企画」(=決してAVビデオ制作会社ではないw)が撮影してくれているらしく、場所も偶然私が行ったWP長瀞さんでのロケだったようです(笑)。
それなりに参考になると思いますので、お暇なかた・手元バラしを少しでも減らしたいと思っているかたはご覧ください〜。
動画を編集したソフトがフリーでダウンロードした試用版だったようで、画面にソフトの名称が強制的に入ってしまっているのがウザいのですが、これは無視して見るしかないようですw(動画は限定公開なので、下記URLから飛ぶか、直接このURLを入力しないと見られません)

(やはり、動画中に入っている編集ソフトのラベルがどうもうっとおしいので、別のソフトでキレイに作り直しました。下記リンクも新しい動画の方に差し替えました。)
https://youtu.be/4wVG8dmkTQs


上記ツラツラと書いてきましたが、「あらゆる場合でこれを実践すればいいのか?」というと、決してそんなことはありません。
フッキングした魚が20cmくらいの場合、(穂先を水中に突っ込んで寄せてくるよりは)水面に引っ張り上げて一気に水面を滑らせるようにゴリ巻きして一気にネットインしてしまう方がバレないし効率がいい場合もあります。また魚が大きくて寄せてきてからネットインする際に、ラインをすこし長めに出している方がフィニッシュしやすい場合もあります。
たくさんの魚を釣って、色々な取り込み方を試してみると、「ベストなキャッチ方法は一つではないな」ということが分かります。その場その場で一番「確実にかつ効率的にキャッチできる方法」を色々と研究してみるのも楽しいですよ ^_^


今回上記で説明させていただいた内容は、管釣りにおける取り込み方法としてはかなりの場面をカバーできると私は思っています。これはあくまでわたし流のやり方ですので、これを参考にするもよし、まったく別の方法を突き詰めるもよし、だと思います。これがまた楽しい〜!^_^
管釣りって、魚を掛けるまでのプロセスについて、「こんなルアーが発売されました」とか「これをこう使うとこんなに釣れます」といった情報は巷(ちまた)にあふれていると思うのですが、取り込みの方法について解説しているものを私は見たことがありません。(地味だから?w)
今回の私のブログが世界初かもしれませんね(笑)。
少しでも皆さんの参考になると幸いです。