「魚の向きを意識して釣ってみる」という話

昨日、とのさんと釣った際にちょっとお話ししたことをここにまとめておくことにしました。(ささきさんのコメントの回答にもなるかと思います。それなりに管釣りを長くやっている人でしたら知っていることだと思いますが、参考までに私のアタマにあることを書いてみたいと思います。)


まず大前提となる話として、「管釣りの魚は、ルアーを(魚の)後ろもしくは斜め後ろから通した方が釣れる!」(=以下、「★」とします)という定説があります。これが今回のベースとなります。
確かに、私の経験上でも、魚の前方から(魚に向かって)対面通行に通すように引いた場合、魚が避けてしまうことがほとんどです。(たまに、すれ違いざまにいきなり反転してバイトしてくることもあるので、「絶対に後ろから通した方がいい」とは言い切れません)


魚が定位している時に、自分(=魚)の後ろからヌッとルアーが現れると、(1)リアクションで即バイトする、(2)通過したルアーをしばらく追尾してからやっとバイトする、という2つのパターンが見て取れます。


下記、ごくごく一般的なことを書きます。(注:必ずしもいつも下記のような状態になっているというわけではありません)


たいていどの釣り場さんでもインレットとアウトレット、もしくは水車による水の攪拌があるので、少なからず水の流れが存在します。また風の強さによっても水流が生じます。
そうすると魚はその流れに向かって位置取りします。分かりやすいように水車を例に取って考えてみましょう。


図1と図2として水車の模式図を書きました。

水車によってできた流れに魚がたくさん定位しているのを見ることができますが、その流れの強さ、その季節による魚の活性の高さなどによって、魚が群れる位置がズレてきます。夏の暑い日では魚はより流れの強い位置に入りたがりますが、その他の時はやや後方の流れが弱まった場所に多く集まる、といった具合です。
また、水の強さにより、流芯そのものに入る魚が多いのか、はたまた流芯脇の流れが緩くなっている方に魚が多いのか、なども考慮点になります。
その時々で魚が多くいるであろう場所を目視もしくは妄想で(笑)把握しましょう。


で、魚の位置と向きをイメージできたら、後は「★」を実践します。


図3を書いてみました。

よくあるパターンとしては「C」の位置から青い実線の軌跡でキャストする場合でしょうか。その場合、実際のトレースコースは青い曲線のようになります。この際に「★」が実現できるのは青い×が書いてあるあたりかと思います。これだとルアーを魚に見せる距離がずいぶんと短い状態です。
で、です。今度は青い点線のようにキャストしてみます。この角度に投げられると、青い点線曲線をトレースでき、青い×の範囲が広がります。
ということなので、より長い時間・距離を「★」を実現しながら引くには、点線方向に投げるのが効果的です。ただし、これは、「他に人がいなければ」という条件付きですので、混雑している際にこれをやると大変な迷惑になりますのでやってはいけません。


もっと言ってしまうと、図3の「A」や「B」に位置取り、赤線のようにキャストできるのであれば、もっと広い範囲で「★」が実現できます。朝霞さんの2号池の例のポイントはまさしくこれに合致します。


実際には、人がイメージするよりも魚はより広い範囲に存在もするでしょうから、必ずしもイメージ通りに引けなくても魚は釣れます。
今回は分かりやすいように水車を例に取って書いてみましたが、別に水流を作るのは水車だけではありませんし、水流がなくてもポカンと浮いている魚に対して「★」を実践すると効果が出ることがあります。ですので、皆さんが行く釣り場さんで、その場その場で魚の向きをちょっと意識してみると(そのような場面があれば、ですが)、釣れた際の「釣れた理由」が腹に落ちるかもしれません。


昨今、釣り人が多い釣り場さんでは、(他のかたも釣っているので)このように自分が引きたいようにはなかなか思い通りには引けないかとも思います。ですので、あくまで「こんな話があるんだぁ」程度にとどめていただき、もし実践できる場面がありましたら、試してみてはいかがでしょうか。面白いですよ ^_^


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と、上記の日記を書いた後に、きょうは夕方に朝霞さんに行ってきました。目的は、自分の釣りを大会モードに切り替えるためです。
来週末の30日(日)にトラウトキング選手権のチームバトルに参加してきます。久しぶりの大会なので、初夏以降、緩んだ釣りしかしてこなかったこともあり、このまま大会に出てしまうと、アワせだったり取り込みだったり、しくじること請け合い。


春先の自分の「型」を思い出すべく釣ってきました。
キャスト後のロッドの持ち方・角度、高さ。掛けてからの寄せ、取り込みフィニッシュのロッドワークとタイミングなど、自分の中の「大会スイッチ」をONにしてきました。


さてさて、東山湖さんでの釣りはどうなることやら。楽しみです〜。